住職のショートショート:エピソード22 「これからどう生きたら良いでしょうか?」

これからどう生きたら良いでしょうか?

「これからどう生きたら良いでしょうか?」

このようなご相談を受けました。

私は子供の頃は、親の希望にそって進学して、親が決めた相手と結婚して、夫の言う通り家事をして暮らして来ました。
子供には恵まれ無かったですが、幸せな夫婦生活でした。
突然夫を亡くし、何をすれば良いかわかりません。
これから私はどう生きたら良いでしょうか?

何か目標に向かっての障害をどうすれば良いかという問いなら、
一緒に考えて解決策を考える事が出来ます。
その方がやりたいこと、好きな事を、他人の私が決めることができるのでしょうか!

私はどのように答えて良いか分からず、しばらく言葉が出て来ませんでした。

そこで質問しました。
「子供の頃ってどんな事をしてましたか?その頃何か楽しい思い出は無かったですか?」
しばらく沈黙が有りました。
多分その方の心は、子供時代に飛んで、思い出しておられるのかも知れません。

「そういえば、私は手芸が好きでした。
刺繍は大好きでしたが、受験勉強の為に諦めていました。
また始めてみたくなりました。」

その方は、親の言うことをよく聞く「とても良い子」として育ってこられたのかも知れません。
結婚されてからは、夫の言われるままに暮らされてこられたのでしょう。
ところが「老いては子に従う」という子供さんに恵まれず、
夫を亡くされた後は、どう生きれば良いかわからなくなられたようです。
その方は、初めて自らの問いを起こされました。
私は、尊いご相談をいただきました。

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viharajjj@yahoo.co.jp まで

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