住職のショートショート:エピソード3「おっちゃん、遊んでるの?」

おっちゃん、遊んでるの?

ある日、私は自転車でお参りに出ていました。
角を曲がると、足下で女の子が、熱心に道路に絵を書いていました。
思わずぶつかりそうになって、少し私は慌てました。

その時に、私はどこに向かっていたのか、忘れてしまってました。
そういえば先程、
「今日はお医者さんの予約がありますので、お参りはキャンセルでお願いします。」
と電話があったことを自転車をひとこぎしてる間に思い出しました。
私は円を描くように来た道を戻ろうとしました。

すると、道路で遊んでいた女の子に「おっちゃん遊んでるの?」と
まるで仲間を見つけたように、親しく声を掛けてくれました。
私はなんだかとても恥ずかしくなって、「うん、遊んでんねん」とその場を立ち去りました。
親しみを込めて私に声をかけてくれたのに、素直になれない大人の振る舞いをしてしまいました。

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