住職のショートショート:エピソード50「背番号」

背番号

ずっと前に、テレビのプロ野球中継をみていると、ユニホームの背番号42の選手がいました。
その選手はアメリカから来た、「助っ人」と呼ばれる選手でした。
一緒に中継をみていた母は、
「アメリカの方は、42の番号つけて、迷信を気にしない、偉い人やなー」と感心していました。

日本人なら、42は、「死に」と読めるので、縁起が悪いからつけないところを、アメリカ人は、そんなことは、迷信だからという考えなのだ。そんなふうに母は解釈したようです。

最近、アメリカのメジャーリーグをみるようになって、ジャッキーロビンソンデーというのがある事を知りました。
その日は、すべての選手が背番号42をつけていました。
黒人初のメジャーリーガーとして、名を残されたその選手を讃え、その日はみんな背番号42番のユニホーム着ています。
逆にその日以外は、『永久欠番』として、どの選手も使用できない番号なのです。

私が子どもの頃、母とみた、助っ人の黒人選手は、迷信とかでなく、著名な選手の背番号をつけれるのは、とてもラッキーだと感じていたのではないかと、思いました。

アメリカにも、文化の違った迷信やジンクス、差別があります。
同じ人間として、こころの弱さ、つらさ、闇があります。
42番の背番号から垣間見ることができたように思いました。

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